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読了:『ミッドナイト・コール』 
2006 / 06 / 22 ( Thu )  21:50
eBOOK-OFFから注文した本が到着しました。
メインは『時の車輪』シリーズの第1部の5冊で、あとは「送料無料」になる1500円を目指してイロイロと拾い上げたものなんですが・・・
ざっと見たかぎり、「当たり」もあれば「ハズレ」もあり。
105円のゲーム『どこでもいっしょ』には、ポケットステーションっていう周辺機器が必要だったんですね。(^^;; そんなの持ってないからこれから探さねば・・ ですよ。

そして・・・ まったく予想外に「当たり」だったのがコレです。いやまったく想像してたのと違ってました。
『ミッドナイト・コール』野阿 梓 角川ルビー文庫
**内容(「BOOK」データベースより)fromアマゾン
深夜に鳴り響く一本の電話。バイト先で知りあった大学生・三日月卓からだった。彼に密そかに惹かれていた立花水郷は、突然の電話に戸惑いながらも、心ときめいていた。しかし、翌日友人の松島啓一郎から、三日月の死を知らされた水郷。しかも、三日月は、昨夜水郷が電話を受ける前に死んでいたというのだ…。昨夜の電話は、冥界からのメッセージ!?愛と謎が錯綜するミステリアス・ラブアフェア。

はい。ルビー文庫です。
ルビー文庫といえばBL・・ なんだろうし、BL小説をそれと知ってて買うことは無い(嫌いというわけじゃないけど、お金を出す対象外なので)んですが・・

買ったのは、作者名に見覚えがあったから。バベルのなんちゃら・・とかいう作品名も記憶にありました。ハヤカワSFマガジンあたりを買ったときに連載されてたんじゃないかな?(10年ぐらい前まで、数年に一度買ってました>SFマガジン)
とにかく「SF畑の人」というイメージで。
「105円書籍」コーナーでコレを見つけて、見覚えのある作者さんだったのでクリックし、「うわぁルビー文庫かぁ・・」と少々とまどいつつも、「一度(この人の作品を)ちゃんと読んでみてもいいかな」という理由で買った一冊。

(予想外だったということもあり)大当たりでありました。

ただし、「BLとして」これを買った人は、失望したんじゃないかしら。
確かに少年の同性愛っぽい感情は出てきますし、かなりエロティックな描写もあるんですが、これは「ボーイズラブ」なんてものじゃないですねえ。(だからこの作者さんの作品、ルビー文庫じゃこれ一冊しか出てないんでしょうね・・)

ホラー、もしくはオカルト・・・ かな。

あ。イラストはかなーーり妖しいです。(^^;; 特にカラー口絵は、とうてい人前には出せない危険度。(苦笑)ココだけは間違いなく「ルビー文庫」なんですけどね。

(ネタバレ回避を含め分割します。以下、思いっきりネタバレ予定なのでご注意。)

この物語、カバー裏と同内容のBOOKデータベースの説明文は、ほぼ正確です。
最後の一行『愛と謎が錯綜するミステリアス・ラブアフェア。』というところを除いては。
「ラブアフェア」じゃ、ありません。「愛」も・・ メインテーマじゃないのです。これ。


単発的に、間を置いて書かれたらしい3つの短編が一冊を構成しています。
第一話は、カバー裏説明の通り、高校生の少年のところにかかってきた謎の電話の話。憧れの先輩(男)に「つきあわないか」と電話で言われてしまうけれど、その先輩は実はすでに事故死していた!という、ちょっとぞっとする物語です。けれど、これにはそれなりに合理的な解決(オレオレ詐欺のようなイタズラ電話だろうと推定)が与えられます。

第二話は、その「イタズラ電話」の主の話。実はイタズラをしたのは、この少年にひそかに恋情を抱いていた友人だった・・ のですね。ところが、度重なる「イタズラ電話」の中で「今度訪ねていく」と約束してしまった日に・・ たまらず少年が一人で住むマンションに向かった友人(イタズラ電話の主)は、人間とは思えない影が、このマンションに現れたのを見てしまう・・のです。
さあ、ホラーっぽくなってきました!

そして最終話。
ついに少年は、死霊の変じたインキュバス(淫夢を見せる夢魔)に夜な夜な陵辱されるハメに!
・・・この死霊退治が、最終話のメインです。ホラーを通り越し、すっかりオカルト。
陵辱シーンもしっかり書かれてますので、エロティックではあるんですが・・ ええ。


ね。BLじゃないでしょ?
・・・いや、こういう骨組みでも、BLらしい話にすることも出来るんでしょうけれど、これはちっともそうじゃない。
最終的に、少年に恋心を抱いていた友人は、気持ちを打ち明けることもないままに、きっぱり自らの恋情を切り捨てる決心をしてしまいますし。
「片恋のつらさ」なんてのも、ほとんど出てきません。エロティックな描写も、あくまでも「事件」の一部にすぎなくて、そこに夢を見る余地は無いと思われます。

メインは、「死者がよみがえった(かもしれない)」という事件であり、これに対して最初は合理的な、次からはオカルト的な、解決が与えられる・・ という話なのですね。


で。まあ。「いかにBLじゃないか」という解説は、これまでとして。

「オカルトっぽい小説」として、面白かったです。ええ。
文章と用語法に、独特の癖があるものの、それも含めて、雰囲気が出てます。
まったく身構えてなかったせいもあるでしょうが、本気で怖かったです。

イタズラ電話をしかけた友人が、「パソコン通信」(インターネットに非ず)を駆使して、よくわからないソフトをパソ通経由で手に入れたりしているのは、今となっては「古さ」を感じさせますが(これも絶版の理由の一つでしょうね)、わたしはパソコン通信からネットの世界に入ったものなので、むしろ懐かしく、「ああ、そうだったよなぁ」的な感慨もありました。(発表年を見ると、けっこう早い時期のもの(第1話初出1993年、第2話1995年)ですね・・ 当時としては先進的なオカルトだったに違いありません)
ですが、「匿名の相手と文字情報だけで繋がる」ことと、生身の身体をもたない死霊との交信とが、「パラレルなもの」「似通ったもの」として意識されているところとか、名称やツールは変わっても、まだまだ現代的な感覚じゃないでしょうか。オレオレ詐欺の萌芽のような話も出てきますし。(まだ犯罪目的と愉快犯の中間ぐらいの位置づけのようですが)


にしても、これは「ライトノベル」じゃありませんねぇ。この呼称で期待されるような「軽さ」がありません。じっとりと重い話です。重みを感じさせる文体でもありますし。
エロティックなオカルト小説・・ そう、例えば『吸血鬼カーミラ』(女性の吸血鬼が少女に取りつこうとする話。直接的な描写はないけれど、非常に妖艶)の現代的なバージョン・・と言ったら、褒め過ぎでしょうか。(^^;;
読みごたえありました。久しぶりに「読後、満足感のある」小説を読んだ感じがします。

まったく、どこに何が落ちてるかわかりませんねー(しみじみ)
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