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読了:『白い花の舞い散る時間』 
2007 / 04 / 11 ( Wed )  23:39
さて久しぶりにライトノベル系の小説を読んだので、感想をば。

アマゾンのプロフィールで「持っています」にチェックを入れたら、なぜかオススメに「百合姫」とか、そっち系の雑誌が入ってきて笑ってしまったコレです。
もともと買ってみたのも、アマゾンのオススメ商品経由なんですけどね。

『白い花の舞い散る時間』友桐 夏 集英社コバルト文庫
**内容(「BOOK」データベースより)fromアマゾン
顔も名前も知らないチャット仲間のアイリス、シャドウ、ララ、ミスティー、そしてミズキ。彼女たちが知る情報は、同じ塾に通う高校生ということだけ。そんな彼女たちがアイリスの呼びかけで、実際に会うことになった。オフ会の場は、人里から離れた古い洋館『ムラサキカン』。匿名性を保つため、新たな名を振り分けていくが、その場に現れたのは…?偶然か必然か、少女たちの運命は動き出す!2005年度コバルトロマン大賞受賞。

白い花の舞い散る時間 白い花の舞い散る時間
友桐 夏 (2005/09/01)
集英社
この商品の詳細を見る

うーんと、これは。なんというか。

どうやら「リリカル・ミステリー」シリーズということになっているらしく、表紙にはタイトルのほか「ガールズレビュー」(コバルト大賞への応募時点での原題から)と「リリカル・ミステリー」とう文字が入ってます。

確かに・・・ おそらくは、これは「ミステリー」ジャンルの小説なんでしょう。
冒頭から謎めいた雰囲気と、謎だらけの展開には目を引かれますし、伏線の張り方や語り方もキチンと構築された小説だなという気がします。
特に人殺しがあったわけでも、刑事犯罪が起こっているわけでもないんですが、「実は~」という事実関係の真相を、物語の中で解きほぐして行く、そういうミステリ小説になってますね。
登場人物は少女たちばかりですが、コバルトでなくても、ごくふつうにミステリ小説として発表されてもおかしくないような中身だと思います。
(あえて言えば「ミステリとして」読むのでなければ、他に読むところが無い・・・とも言えるんですけれど)

ただし・・・ 好みかどうかというと。
うーん。こういう結末は、ちょっと。好きにはなれません。
後味が良いとか悪いとか、そういう問題じゃなくて、ですね。


えーっと。
(いきなりですが)わたしはミステリ小説マニア歴が長いです。(中学生のころから海外ミステリ専門誌を買ってました)
しかも、好みがはっきりしてる。80年代に(いわゆる)「新本格」と呼ばれる傾向が出てきて以来の日本のミステリ小説(島田荘司以降、という意味ね)は、はっきりきっぱり、好みません。
森博嗣とか、人気があるのは知ってますが、体質的に受け付けません。京極堂もダメでしたし、実は宮部みゆきあたりでも苦手です。

そういう「わたしが苦手な傾向のミステリ」のように思えるのですよね。これ。
(ちなみに一番「好み」なのは、1920~40年代ぐらいのヨーロッパの推理もの。国書刊行会の「世界探偵小説全集」とかに入ってるあたりです)

(そして一応、ネタバレ回避に分割してみます。以下を読んで下さる方は、そういう者の目から見ての、感想だということを念頭においてください。)


えー しょっぱなからネタバレますが。

一番「受け入れられない」のは、
結末に超能力を持ってきてしまったこと。
超常的なものの存在を前提にしていること。
でしょうか。

「サイキックもの」は、それはそれとしてファンタジーとして読めるんですが、ファンタジー(含SF・ホラー)でないにも関わらず、超能力の存在を前提にされてしまうと、それだけでうんざりしてしまうのです。
なんていうか、ジョーカーは1枚だと思ってババ抜きをしていたのに、「実はババ抜きじゃなくて、ジジ抜き(ノーマルカードのうち1枚が隠されていて、それと対になるカードを最後まで持っていた人が負けるカードゲーム)をしてたんですよー」と言われたような気分だというか。
確かにババ抜きもジジ抜きも、表面的にやってることは同じ(同じ数のカードを2枚組にして手札から捨てる)なんだけれども、「それはそもそも違うゲームだってば」と思うでしょ。

この小説では、「謎を解くために/真相を解明するために」超能力が使われているわけではありませんが、「超常的な能力の持ち主をめぐる争い」が、いわばすべての元凶、動機になっているので・・・
うーーん。
わたし的には「アウト」なんですよね、こういうのは。
(ファンタジー類以外で超常的なものが出てきても、その意外性をウィットとして楽しむようなもの(主に短編)は、嫌いじゃないんですが・・・ わたしにとっては(現実世界における)超常的なものはあくまで「ネタ」であって、本気で取り組むようなものじゃないんですよ、つまり。)


しかし、ストーリー的には、これ、わざわざ超常的な能力が実在しなくても、良かったように見えるのですがねえ。
互いに接点が無いはずの、接点と言えば「同じ塾に通っていること」と「頭が良く、打てば響くような知的な会話を好むこと」だけ・・・ だったはずの少女たちに、実は血縁と強大な利益集団の跡目争いをめぐる複雑な関係が存在していた。と。
そういう話のはず、なんですけれど。
「それだけ」じゃ、いかんかったのでしょうか? わざわざ超常的なものを持ち込む必要があったのかどうか疑問です。
(その「利益集団」(新興宗教ですが)が、彼女らに「超常的な能力がある」と信じ込むのは、それはそれで自由なんですが、その能力が実在する必要性がよくわからない・・・)

この「超常的な能力」を持ち込んでしまったために、人間性に関わる部分が弱くなってしまったようにも思います。
つまり、「相手がどんな人物かもわからない」のに「本名を互いに隠して」会おう、それも数日を人里離れた場所で一緒に過ごそう・・・ と決意させた、彼女らの精神的な孤独感。
これ、上手に使えば、非常に魅力的な要素になったと思うんですがねえ。家庭的に恵まれず、知的であるがゆえに同年代の少女仲間から孤立してしまっている少女たちの、ナイーブな精神性を描いたら、とてもとても魅力的(それこそタイトル通り「リリカル」で)だったと思うんです・・・が。

「孤独感」や「世界への絶望(あるいは敵意)」の根拠に「特殊な能力」を据えてしまったために、登場する少女たちの誰にも共感できない、人間味のない話になってしまったように思えます。(特殊な能力を持たないキャラは、早々に退場させられてしまいますし)
これは、実にもったいなかったな、と。

最終章の「謎解き」も、(丁寧に伏線を張ってきたのだから)論理的にも解決できるのに、「超能力者たちの、自分たちだけがわかっちゃってる会話」になってしまいました。(しかも事件の背景事情について、ほぼ最後にしか登場しないキャラに過剰に説明させてしまいましたし。暗殺計画云々とか、あの辺はまったく不要ですよね。)
ここまでの緻密な書き振りに「論理的にすべてが解き明かされるカタルシス」を求めていたもので、「わかってるでしょ?」「もちろん、わかってるわよ」で終わってしまう結末には、がっかり。思わず「そりゃないでしょう」とつぶやいてしまいましたよー


うーん。
最後は非常にイラつきます。そこまでが魅力的だっただけに、特に。(序盤・中盤はとても魅力的なんですが)
世間一般じゃ、こういう話が、面白いと思われている・・・ の、でしょうか??


あ。「百合姫」とかがオススメされる理由はわかりましたけど。(笑) でもこれって、登場人物達が(精神的に)「少女」じゃないので、あんまり「百合」(レズという意味じゃなく、BLに相応するファンタジーな女の子同士の関係、という意味らしい)ではないと思うんだけどなーw

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